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神奈川県の人気観光地「江の島」。週末になると多くの観光客でにぎわいますが、実はこの島には、観光では見えない“静かな顔”があります。地元の人たちが毎日を過ごしている早朝や夜、そこには本来の江の島の姿があります。この記事では、島民の暮らしや、観光客が知らない時間帯に見える江の島の魅力を、たっぷりとご紹介します。
江の島の“日常”に触れる旅:島民が見ている静かな朝と夜の素顔とは?
江の島に「住む」ということ:観光地の裏で息づく島民のリアルな暮らし
毎朝海が見える生活の贅沢
江の島に住む人たちは、毎朝、海の音とともに一日が始まります。目覚めたときに窓を開けると、目の前にはキラキラ光る相模湾。都会では味わえないこの景色は、島民にとっては“いつもの風景”です。観光で訪れる人にとっては「絶景」でも、島で暮らす人には「日常の一部」。心が落ち着く海の匂い、波の音、そして空を飛ぶカモメの声。これらは毎日の生活に自然に溶け込んでいます。
忙しい都市生活とは違って、ここでは時間がゆっくり流れているように感じられます。朝の散歩をしながら、漁に出る船を眺めたり、犬の散歩をしている近所の人とあいさつを交わしたり。そんなささいなことが、この島ではとても大切な時間になります。
観光地でありながら、島民にとっては「暮らす場所」である江の島。そのギャップがまた、魅力でもあります。
島民が使う“地元スーパー”と買い物事情
江の島は観光スポットが多いので、おしゃれなカフェやお土産屋さんがたくさんあります。でも、島民の暮らしは観光客のように毎日外食ばかりではありません。日々の食材や日用品は、江の島の外にある藤沢市内のスーパーなどに買いに行きます。実は、江の島の中には大きなスーパーはありません。そのため、橋を渡って車や自転車、徒歩で買い物に行くのが当たり前です。
冷蔵庫の中をしっかり管理して「買い物はまとめて」というスタイルの人も多く、週末はまとめ買いの人でにぎわいます。島の中には小さな商店や地元の魚屋さんもあるので、新鮮なお魚は島内で手に入ることも。特に朝獲れのしらすは人気で、地元ならではの味を楽しめます。
「不便そう」と思うかもしれませんが、その不便さこそが人とのつながりや、生活にリズムを与えてくれるのです。
小さな島の“学校”と“通学路”
江の島に住む子どもたちは、どうやって学校に通っているのでしょうか? 江の島には学校がないため、ほとんどの子どもたちは橋を渡って藤沢市内の小学校や中学校に通っています。通学手段は徒歩や自転車が多く、時には保護者が車で送迎することも。
通学路には観光客も多く、特に観光シーズンはにぎやか。だからこそ、子どもたちは小さいころから「人に気を配ること」や「道を譲るマナー」が身につきます。また、観光客から「こんにちは!」と声をかけられることもよくあり、自然と人とのふれあいを学べる環境です。
学校行事などで友だちを家に呼ぶと、「島に住んでるなんてうらやましい!」と驚かれることも。そんな日常が、江の島の子どもたちにとっての“普通”なんです。
通勤や移動はどうしてる?橋を渡る生活
江の島には電車が通っていないため、通勤や通学、外出には必ず橋を渡る必要があります。主に使うのは「弁天橋」という全長約390メートルの橋。この橋を歩いて渡るのが、島民の毎日のルーティンです。自転車や車でも通れますが、天気のいい日は歩いて渡るのが気持ちいいんです。
最寄りの駅は「片瀬江ノ島駅」や「江ノ島駅」で、そこから都心へのアクセスも可能。湘南エリアにあるため、テレワークを活用しながら自然に囲まれた暮らしを選ぶ人も増えています。
ただし、台風や荒天時には橋が危険になることもあるので、その場合は島内で過ごす時間が増えます。自然と共に暮らすというのは、こういった不便さとも向き合うことなのです。
島ならではの人間関係とコミュニティの絆
江の島は狭い島なので、住民同士の距離がとても近いです。だからこそ、挨拶やちょっとした会話がとても大切にされています。昔ながらの「おすそ分け文化」も根づいており、魚をたくさん釣ったら近所に配る、なんてことも日常的に行われています。
また、地域のイベントやお祭りでは住民が協力して準備や片付けを行います。こうした体験を通して、子どもたちも自然と人とのつながりの大切さを学んでいくのです。
観光客が多く訪れる場所ではありますが、島民同士のつながりもとても強いのが江の島の特徴です。「お互いさま」の精神が、この島の暮らしを支えています。
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観光客が知らない、早朝の江の島の魅力
早朝の江の島神社は“別世界”
江の島神社といえば、観光客でにぎわう人気スポット。でも、朝の6時前に訪れてみると、その雰囲気はまったく違います。空気が澄んでいて、鳥の声と木々の葉が風にゆれる音だけが聞こえる静かな世界。まるで“神さまがいる時間”のように神聖な空気が流れています。
参道には誰もいなくて、まるで自分だけのために開かれた神社のような気持ちになります。ゆっくりと手を合わせてお参りし、深呼吸をすると、日ごろのストレスがすーっと抜けていくような感覚に包まれます。
日中のにぎやかさも魅力ですが、早朝にしか味わえないこの静けさは、まさに“知る人ぞ知る江の島の顔”です。
観光客が知らない、早朝の江の島の魅力
朝5時の海岸線で見られる絶景
江の島の海岸線は、朝5時になるとまるで別の世界に変わります。観光客がまだ眠っている時間帯、地元の人や早起きの散歩客だけが知っている「絶景タイム」が訪れるのです。太陽が海からゆっくり昇る瞬間、空がオレンジやピンク、紫など色とりどりに染まります。その光が水面に反射し、まるで絵画のような風景に。
特にオススメなのが「稚児ヶ淵(ちごがふち)」から見る日の出。岩場に打ち寄せる波と、空の色のコントラストが本当に美しく、写真を撮らずにはいられません。観光パンフレットには載らない、静かで感動的な朝の風景です。
この時間帯、漁師さんが出港する姿や、サーファーが朝一番の波に乗っている様子も見られます。生活と自然が一体となった朝の風景は、まさに江の島の「リアルな日常」。騒がしさのない海岸線で、コーヒー片手にぼんやり海を眺めるのも贅沢な過ごし方です。
朝市や漁師町のリアルな光景
江の島では、時おり朝市が開催されることがあります。観光向けではなく、地域の人たちが集う“地元のための市”です。そこで売られているのは、新鮮な魚、手作りの漬物、朝どれ野菜など。値段もお手ごろで、島の暮らしが感じられるほっこりとした空間です。
また、朝の漁港では、漁師さんたちが朝帰りして船を片づけたり、魚を仕分けたりする様子が見られます。その作業はとてもテキパキとしていて、見ているだけで気持ちが引き締まります。「これが、観光地じゃない江の島の姿なんだな」と思わせてくれます。
タイミングが合えば、獲れたてのしらすやサバを分けてもらえることもあります。朝の江の島では、「買い物」ではなく「ふれあい」を楽しむ時間になるのです。静かな朝の漁師町には、都会では味わえない“人と人の温かさ”があふれています。
江の島猫たちの活動タイム
江の島といえば「猫の島」としても有名です。でも、昼間に会える猫たちはごくわずか。実は、江の島の猫たちは早朝や夕方に活動する“朝型”の子が多いんです。朝5〜6時ごろになると、神社の境内や路地裏、岩場の影などからひょっこり現れて、のんびりストレッチをしたり、仲間と遊んだりしています。
この時間帯は人が少ないので、猫たちもリラックスしていて、近づいても逃げないことが多いです。静かな空間で、猫と目が合うだけでなんだか心が和みます。猫好きの人にとっては、まさに“最高の時間”です。
ただし、猫にごはんをあげる行為は禁止されています。観光客のマナーとして、猫たちの暮らしをそっと見守ることが大切です。人間の時間と、猫の時間が交差する早朝の江の島は、やさしさと静けさに包まれています。
地元民に人気のモーニングスポット
観光客が少ない早朝の時間帯、島民がよく訪れる“隠れモーニングスポット”があります。その代表格が「江の島ビュータワー」のふもとにある小さなカフェ。ここでは、焼きたてのパンと地元野菜を使ったサラダが楽しめて、しかも海を眺めながらのんびりできる贅沢な空間です。
また、江の島大橋を渡った先にある片瀬エリアにも、朝7時から開いているベーカリーカフェやコーヒースタンドがあります。島民の中には、毎朝ここでコーヒーを飲みながら新聞を読むのが日課という人も。観光ガイドには載っていない、地元の人だけが知っている“静かな朝の楽しみ方”です。
混雑とは無縁のこの時間帯に、のんびり朝食をとって、静かな海を見ながら過ごす。それは、旅先でしか味わえない最高のリラックスタイムかもしれません。
観光客がいない時間帯、江の島の夜の顔
日没後の弁天橋は幻想的
夕方になると、江の島と陸地をつなぐ弁天橋がオレンジ色に染まります。観光客が帰り始める時間帯、島に向かう人はほとんどおらず、静かな橋の上からは相模湾に沈む夕日が一望できます。日が沈むにつれ、海の色はどんどん変わり、空と海が一体になるような美しさを見せてくれます。
この時間、カップルやカメラ好きの人がぽつぽつと立ち止まり、空を見上げているのが印象的です。風が穏やかな日は、水面が鏡のようになり、夕焼けがそのまま映り込む幻想的な風景になります。
昼間のにぎやかな橋が、こんなに静かでロマンチックな場所になるとは、多くの観光客は知らないかもしれません。弁天橋の夜は、まるで映画のワンシーンのよう。心を落ち着けたいときにぴったりのスポットです。
ライトアップされた岩屋の風景
江の島の南端にある「岩屋洞窟」は、日中は多くの観光客でにぎわう場所ですが、実は夜の時間帯に訪れると、まったく違う表情を見せてくれます。特に冬季やイベント時には期間限定でライトアップが行われ、洞窟内の岩肌が幻想的な光に照らされます。ろうそくのような暖かい光や、青く揺れる光に包まれた空間は、まるで異世界のような雰囲気。
海風の音と波の音が混ざり合うなかで、静かに洞窟を歩く体験は、昼間の江の島では味わえない“神秘的な時間”です。人の声がほとんど聞こえず、足音だけが響く中を歩いていると、自然と背筋が伸びて、心が引き締まるような感覚になります。
また、ライトアップの色や演出は季節やイベントによって変わることもあり、リピーターも多いスポットです。観光客の少ない時間帯だからこそ、ゆっくりと景色に浸ることができるのも魅力です。
夜に聞こえる“海の音”と静けさ
夜の江の島で特に印象に残るのは、「音」です。日中は観光客の話し声やお店の呼び込みでにぎやかですが、夜になると、それらがすっと消え、代わりに聞こえてくるのは、波が打ち寄せる音、海鳥の鳴き声、そして遠くで聞こえる船のエンジン音だけ。
特に、稚児ヶ淵や岩場の方まで歩いていくと、まるで自然が奏でる音楽に包まれているような感覚になります。潮の満ち引きによって波の強さが変わるため、音も一定ではありません。それがまた、自然の生きた証のようで、聞いていて飽きることがありません。
静けさの中で、自分の心と向き合う時間は、江の島の夜ならではの体験です。観光地であっても、静寂を大切にする空間が残されている。それが、江の島が多くの人に愛される理由の一つです。
島の小道に灯る街灯の美しさ
夜の江の島を歩いていると、小さな小道や階段のあちこちに、ほのかな街灯が灯っています。暖色系のライトが石畳や木々を照らし、まるで絵本の中の世界に迷い込んだような気持ちになります。昼間は見過ごしてしまうような階段や、神社への裏道が、夜になるととてもロマンチックに見えるのです。
また、エスカー(有料エスカレーター)付近や展望台周辺の小道では、海風を感じながら散歩する人もちらほら。島民たちは、こうした小道を夜の散歩コースとして活用しています。仕事終わりや夕食後、静かな空気の中を歩くことで、一日の疲れがリセットされるのです。
夜の江の島を歩くと、「同じ場所でも、時間が違えばこんなに雰囲気が変わるのか」と感じられます。昼の顔と夜の顔、そのコントラストこそが、江の島の魅力のひとつです。
夜釣りを楽しむ島民たち
夜の江の島では、至るところで釣りを楽しむ人たちの姿が見られます。特に岩場や堤防では、ヘッドライトをつけて夜釣りをする島民や釣り好きの常連が集まっています。ターゲットはアジ、メバル、イカなど。夜は魚の動きが活発になるため、日中よりも釣果がよいことも多いそうです。
釣りはただの趣味ではなく、江の島に住む人たちにとっては、自然と向き合う時間でもあります。波の音を聞きながら、ゆっくりと糸を垂らす時間は、心を落ち着かせてくれる大切なひととき。釣った魚はそのまま夕食のおかずになることもあり、まさに“海と共に生きる暮らし”が感じられます。
観光客の多くが知らないこの夜の楽しみ方こそが、江の島で暮らす人たちのリアルな日常。もし夜に江の島を訪れることがあれば、遠くに見えるヘッドライトの灯りを頼りに、静かに釣りを楽しむ人たちの姿にも注目してみてください。
観光地だけじゃない、江の島で感じる“島時間”
時間がゆっくり流れる理由
江の島に来ると、まず感じるのが「時間の流れが違う」ということです。東京から電車で1時間ちょっとなのに、島に足を踏み入れた瞬間から、都会のせかせかした空気とはまったく別の世界が広がっています。人の歩くスピードも、話すトーンも、風の音も、すべてがゆっくり。島の暮らしには、“急がない”という文化が自然に根づいています。
このゆったりとした空気は、観光だけではなく、島民の生活の中にも深くしみ込んでいます。日々の予定も、自然のリズムに合わせて動くことが多く、たとえば「今日は海が荒れてるから漁はお休み」や「夕日がきれいだから、ちょっと散歩に行こう」など、自然と寄り添うような生活スタイルが当たり前になっています。
観光地としてにぎわう日中でも、一本裏通りに入れば静かな時間が流れていて、地元の人が庭先で洗濯物を干していたり、おしゃべりを楽しんでいたりします。時間の速さに疲れた人ほど、この“島時間”が心にしみることでしょう。
自然と共にある暮らしの心地よさ
江の島の暮らしは、自然と切っても切れない関係にあります。目の前には広大な海、背中には緑あふれる森。そして空を見上げれば、大きな空が広がっていて、朝日も夕日も、季節ごとの空の表情も、毎日違う美しさを見せてくれます。
島民たちはこの自然を日常の一部としてとらえていて、たとえば天気の変化にはとても敏感です。「風が変わってきたから、明日は雨だね」といった会話が、ごく自然に交わされています。また、潮の満ち引きや月の満ち欠けにも意識が向いていて、生活のリズムが自然とリンクしているのがわかります。
都会では“自然”はレジャーの対象になりがちですが、江の島ではそれが“暮らしそのもの”。朝の光で目覚め、波の音で眠る。雨の日は静かに家で過ごし、晴れた日は外で風を感じる。そんな自然と共にある暮らしは、心にも体にもやさしい時間を運んでくれます。
四季を感じられるイベントと風習
江の島では、季節ごとに小さな行事や風習があり、島の人々はそれを大切に守っています。春には「江の島春まつり」、夏には「花火大会」、秋には地元の神社で収穫祭が行われ、冬には「湘南の宝石」と呼ばれるイルミネーションイベントがあります。こうした行事は、観光客も楽しめる一方で、島民にとっては季節の節目を感じる大切な時間です。
たとえば、しらす漁が解禁になる春には、朝の港が一気ににぎやかになります。地元の食堂では「しらす丼」が一斉に提供され始め、まさに“江の島の春”がやってきたと感じられる瞬間です。また、秋には島のあちこちでススキが揺れ、赤とんぼが飛び交う風景が見られます。
こうした季節ごとの風景や行事は、島で暮らしているからこそ深く味わえるもの。カレンダーよりも、風の匂いや景色の変化で「季節が変わった」と感じるのが、江の島らしい生き方です。
スマホよりも景色を楽しむ生活
今の時代、スマホを手放せない人が多いですが、江の島にいると自然と“スマホ離れ”ができます。なぜなら、スマホよりも面白い景色や出来事が、そこかしこにあるからです。猫が日向ぼっこしていたり、カニが岩場をちょこちょこ歩いていたり、空がきれいなグラデーションに染まっていたり。
島民の多くは、スマホよりも“今、目の前にあるもの”に目を向けています。夕焼けを見て「きれいだね」と言える相手がいて、その時間を共有できることが、何よりの豊かさです。SNSに写真をアップすることも楽しいですが、それよりも「この景色を心に焼きつけておこう」と感じる時間のほうが、ずっと価値があるかもしれません。
江の島では、スマホをしまって五感を使って過ごす時間が、心をとても豊かにしてくれます。それが、観光ではなく“暮らし”としての江の島の魅力です。
「何もしない時間」が心を整える
江の島で暮らす人たちは、「何もしない時間」をとても大切にしています。それは、ぼーっと海を眺めたり、夕日を見ながら温かいお茶を飲んだり、近くのベンチで風に吹かれているだけの時間です。一見、無駄に思えるようなその時間こそが、心を整える大切なひととき。
現代人は、常に何かをしていないと不安になりがちです。しかし江の島の生活では、「何もしないこと」も立派な過ごし方の一つとされています。それは、自然がすぐそばにあるからこそできる贅沢です。
忙しい日常に追われる人にとって、この島のゆったりしたリズムは、まさに“心の処方せん”かもしれません。海を見ているだけで落ち着く、風の音を聞くだけで癒される。そんな不思議な力が、江の島にはあるのです。
江の島を訪れるなら“地元の目線”で歩いてみよう
観光ルートに隠れたローカルスポット
江の島には有名な観光ルートがあります。弁天橋を渡って、仲見世通りから江島神社を抜け、エスカーで展望灯台へ。多くの観光客がこのルートを辿りますが、実はその裏には、地元の人しか知らない“静かな穴場”がたくさんあります。
たとえば、観光客で混雑する仲見世通りの一本裏道には、昭和レトロな喫茶店や、ひっそり営業している民芸品のお店があります。そこでは手作りの陶器や、地元の作家が作ったアクセサリーなどが手に入ります。また、神社の脇道にある小さな階段を上ると、江の島全体を見渡せるベンチ付きの絶景ポイントも。
観光客が知らないルートを歩くことで、「島の静けさ」や「人々の暮らし」が感じられ、まるで自分が島民になったような気分になります。江の島を深く味わいたいなら、メインストリートを少し外れて、地元の風を感じてみてください。
島民に愛される食堂&カフェ5選
江の島には多くの飲食店がありますが、地元の人が本当に通うお店は、観光マップには載っていないことが多いです。観光客向けの華やかなお店も良いですが、島民に人気の“普段使いの食堂やカフェ”は、味も雰囲気もどこか落ち着いています。
島民に人気のローカル店(例):
| 店名 | ジャンル | おすすめメニュー | 特徴 | 
|---|---|---|---|
| 江の島亭 | 和食定食 | 地魚の煮つけ定食 | 昼は地元の人でにぎわう | 
| 海風カフェ | カフェ&軽食 | しらすトースト | 海が見える隠れ家 | 
| 浜の食堂たつみ | 漁師の店 | 朝どれしらす丼 | 早朝営業が魅力 | 
| のり蔵 | おでん&小料理 | 湘南野菜の煮物 | 家庭的な味が魅力 | 
| KAYA COFFEE | コーヒースタンド | ハンドドリップコーヒー | 島民の休憩スポット | 
これらのお店では、観光客扱いではなく“お客さん”としてあたたかく迎えられます。島の味、島の空気をゆったり感じながら食事を楽しむ。それこそが江の島の真の魅力です。
早朝・夜に体験できるプライベート感
江の島を訪れる人の多くは、昼間の時間帯に集中します。そのため、朝早くや夜遅くに島を歩くと、驚くほど静かで、自分だけの島にいるような感覚を味わえます。朝6時の江の島神社や、夜8時の弁天橋など、普段は人であふれている場所がほぼ無人。そんな中を歩くことで、まるで“特別な旅人”になったような気持ちになります。
この時間帯は、風の音や波の音、鳥の鳴き声といった自然の音がはっきりと聞こえ、目を閉じれば都会の喧騒がスッと消えていくのがわかります。朝の光に照らされた神社の階段や、夜の月明かりに照らされた小道は、昼間とは全く違う表情を見せてくれます。
「混雑しているから行きたくない」と思っていた人ほど、早朝や夜に訪れてみてください。そこには、観光地ではなく“生活する島”の本当の姿が待っています。
江の島の日常に触れるおすすめルート
江の島をもっと深く味わうために、地元目線で歩く「おすすめルート」をご紹介します。これは観光スポットを巡るだけでなく、島民の暮らしや静けさを感じられる散策コースです。
江の島・地元感ルート(所要時間:約2時間)
- 朝7:00 弁天橋を渡る(静かな海と朝日を感じながら)
- 江島神社を早朝参拝(清らかな空気の中でお参り)
- 神社脇の裏道へ(観光客のいない静かな道)
- 展望台近くのベンチでひと休み(絶景スポット)
- 稚児ヶ淵へ下る(海と岩の自然を感じる)
- 浜の食堂たつみで朝ごはん(地元のしらす丼)
- ゆっくり裏通りを散策しながら弁天橋へ戻る
このルートでは、江の島の“本来の静けさ”や“地元の人の空気”を味わえます。写真映えやスポット巡りよりも、「心に残る体験」をしたい人におすすめです。
マナーと配慮で“やさしい観光客”に
最後に大切なのは、「島民と気持ちよく関わるためのマナー」です。江の島は観光地であると同時に、“人が暮らしている場所”でもあります。裏道で大声を出したり、私有地に立ち入ったり、猫に勝手にエサを与えたりといった行為は、住民にとって大きなストレスになってしまいます。
訪れる人に求められるのは、“配慮と思いやり”。例えば、ゴミは必ず持ち帰る、挨拶をする、静かに散策するなど、ちょっとした行動が島民との信頼関係をつくるきっかけになります。地元のお店では「こんにちは」「ありがとう」と一言添えるだけで、温かく迎えてくれるはずです。
江の島の魅力は、観光スポットだけでなく、人々の優しさや自然の静けさにあります。だからこそ、訪れる側もその空気を大切にし、やさしい気持ちで旅を楽しんでください。
まとめ:観光だけでは見えない、江の島の“素顔”に出会う旅へ
江の島というと、多くの人が「観光地」というイメージを持ちます。しかし、本当の魅力は、島民の暮らしに根づいた静かな時間や、観光客がいない朝と夜の風景にあります。島で暮らす人たちは、自然と共に、ゆっくりと時間を重ねています。
あなたがもし、ただの観光ではなく、“心を整える旅”を求めているなら、江の島はきっと最高の場所になります。混雑する昼ではなく、静かな朝や夜に歩いてみることで、まるで島と心が対話しているような感覚を得られるでしょう。
江の島の“日常”に少しだけ足を踏み入れてみる。すると、観光パンフレットには載っていない、新しい旅の価値が見つかるはずです。


